ストーマケア・ナーシング メニュー

個別性が高いストーマ患者の具体的な支援
放射線療法施行患者のストーマ管理

放射線療法は、抵抗力の低下と放射線被曝により皮膚障害が発生する危険性がある。

放射線療法施行中のストーマ管理においては、放射線療法に関する知識を深め、装具の剥離刺激を最小限にして予防的スキンケアを継続することが、適切なストーマ管理につながる。

放射線治療は、がん治療やがん性疼痛の緩和を目的として単独で行われることもあるが、化学療法や手術の前後に併用して行われることが多い。

放射線照射を受けた皮膚は、水分が蒸発・乾燥し痒みを伴うようになる。これはドライスキンと呼ばれ、乾燥状態の皮膚は損傷を受けやすく、悪化すると放射線皮膚炎が出現することもある。

ストーマ管理においては、装具の剥離刺激を最小限にして、皮膚障害を予防する管理方法を提供する必要がある。

放射線療法の種類

術後の再発抑制や術前の腫瘍量の減量を目的とする補助放射線療法と、切除不能進行性再発がんの症状緩和や延命を目的とする緩和的放射線療法がある。

放射線治療中の注意

両側方と後方からの3門照射では治療体位が腹臥位となるため、クッションなどを使用してストーマが圧迫されないよう注意する(図1)。

図1 3門照射の治療体位

図1 3門照射の治療体位

腹臥位での照射は、ベリーボードやクッションを使用して、
ストーマに圧迫が加わらないようにポジショニングする。

放射線による粘膜上皮細胞の再生障害による下痢が頻発するため、整腸薬・止痢剤の投与や消化吸収が良く残渣や刺激物の少ない食事を数回に分けて摂取するよう説明する。

放射線治療中のストーマ管理

1.ストーマ周囲皮膚のスキンケア

一般的なスキンケア(皮膚の洗浄・保湿・保護)を行い、装具の剥離刺激による皮膚障害を防ぐために粘着剥離剤を使用する。

曝露防止対策であるマスクと手袋の着用は、ストーマ保有者や介助者にも指導する。

2.装具選択

面板が照射部位にかかる場合は、照射前に剥がすか、ストーマ袋を折るだけでよいか確認する(図2)。

照射後は、パウチカバーやタオルなどを挟んで皮膚が擦れて刺激を受けないよう工夫する(図3)。

図2 照射時の準備

図2 照射時の準備

3門照射であれば、腹部には影響は少なく、装具は照射時に折りたたんでコンパクトにする。照射前に装具を剥がす必要性については、照射中に排泄することもあるため事前に確認しておく。

図3 皮膚が擦れない工夫
図3 皮膚が擦れない工夫

装具を袋カバーやタオルで挟んで保護する

図3 皮膚が擦れない工夫

株式会社ピースケア

図3 皮膚が擦れない工夫

株式会社ミムロ

いろいろな種類の装具の袋カバー

図3 皮膚が擦れない工夫

粘着テープ付き装具を使用している場合は、テープ部が照射範囲にあるとボーラス効果により皮膚の線量を高めて皮膚障害が発生するためカットしておく。

3.装具交換間隔

3門照射の場合は照射前と同様で問題ないが、装具交換に伴う疲労や剥離刺激を防ぐために、リング状の皮膚保護剤などを使用して交換間隔を調整する(図4)。

図4 リング状皮膚保護剤

プロケア®ソフトウエハー・リング
【アルケア株式会社】

図4 リング状皮膚保護剤

ブラバモルダブルリング
【コロプラスト株式会社】

図4 リング状皮膚保護剤

ダンサックシール
【株式会社ホリスター ダンサック事業部】

図4 リング状皮膚保護剤

アダプト皮膚保護シール
【株式会社ホリスター】

図4 リング状皮膚保護剤

4.排泄物の取り扱い

注射剤による内用療法の場合は尿から放射線物質が排出されるため、2日~1週間はトイレで尿が飛び散らないように注意し、2回流して石鹸と流水で手を洗う。

空のストーマ袋は曝露防止のため紙に包んで2重のビニール袋へ入れて廃棄する。

文献

1.市川裕子,他:内用療法患者の看護,がん放射線治療.唐澤久美子,藤本美生編,がん看護セレクション,学研メディカル秀潤社,2012,190-197.

2.柴崎真澄,高田彰憲:手取り足取り教えます!ストーマケア19の困った解決塾.消化器外科 NURSING 2011;16 (2):36-39.