ストーマケア・ナーシング メニュー

日常生活指導のポイント
睡眠・休息

2015年5月公開

睡眠や休息は基本的欲求の一つであり、熟睡することで疲労を回復させるとともに、起きている時間に活動する力の源となる。ストーマ装具を腹部に装着することで睡眠の質が低下しないよう支援する。

睡眠中の皮膚は細胞の一つ一つが活発に活動し、表皮細胞の分裂と増殖が旺盛となり、傷んだ皮膚の修復も促進されるため、十分な睡眠と休息が必要である。しかし、個人差はあるものの、睡眠中にストーマが心配で何度も目覚めてしまう患者がいる。

一般に夜中から明け方にかけて副交感神経優位となるため、腸蠕動が活発になり排泄回数が多くなる。

尿路ストーマの場合には、身体の安静と保温によって腎血流量が増加し、尿量が増加するため、ストーマ袋の逆流防止機構を超えて蓄尿されないよう、ウロナイトバック(外部蓄尿袋)を使用するとよい。

臥床すると、便でも尿でも排泄直後の排泄物の温かさや重みが腹部に直接かかる感触で目覚めてしまう場合もある。

装具が剥がれていないかどうか心配になって、眠りが浅くなってしまい「熟睡感がない」と訴える患者も多い。逆に「まったく気にならず」熟睡でき、目覚めるとストーマ袋全体にたまってしまい、トイレに慌ててかけ込む場合もある。いずれにしても、対処法を伝えておくことで、睡眠中に装具が剥がれることなく安心して熟睡感が得られるよう援助する。

手術後は創傷治癒や心身の早期回復のためにも、十分な睡眠と休息を保証できるストーマケアが望まれる。

予定外に装具が剥がれる経験は、患者にとって負の感情を抱く場合もあり、「眠っている間に剥がれてきたらどうしよう」などと考えてしまって熟睡できない要因になりうる。ストーマ装具の定期交換が早期に確立し、安心感が持てるようにしたい。

対処法

使用しているストーマ装具の特徴を伝え、交換間隔を守ってもらう。

尿路ストーマの場合には、患者の夜間の尿量に応じた容量の採尿袋に接続する(図1)。

接続部が外れること、管の位置によって屈曲や閉塞が起こることがないような工夫を伝える。

二品系装具では、寝る前にストーマ袋の向きを変えてもよい。

夜間の尿量に応じた容量の採尿袋に接続する

図1 夜間の尿量に応じた容量の採尿袋に接続する