ストーマケア・ナーシング メニュー

日常生活指導のポイント
服薬

2015年5月公開

ストーマ保有者が服薬する場合、多くの薬剤は排泄物に影響しないため、特別な指導をする必要はない。影響する薬剤について、あらかじめ説明しておくことで安心感が得られる。

内服薬

回腸ストーマの場合、薬剤の腸内停滞時間が短くなるため、腸溶剤や形状の大きな錠剤などは、薬が溶解せずにストーマから排泄されてしまう場合がある。

内服薬を服用後、薬剤の断片などがストーマから排泄されている場合は、主治医に相談し、散剤や水剤へと形状を変更することが可能か否かを相談する。なお、薬剤を処方される際は、回腸ストーマを保有していることを医師に説明しておく。

オキシコンチン錠やデパケンR錠は、ゴーストピル(成分が吸収された後の殻)が便と一緒に排泄されることがある。患者が便を見たときに、薬剤が吸収されていないのではないかと不安になる場合があるため、あらかじめ説明をしておく(図1)。

薬剤の中には、排泄物の色やにおいに影響したり、便通を変化させたりするものがある。排泄物の変化が、薬剤の影響なのか、脱水や便通異常などの身体状況によるものなのかを見分けるためにも、常用薬と排泄物の普段の性状を確認する。

図1 排便とともに薬剤の殻がそのまま排出される薬剤(例;オキシコンチン)

図1 排便とともに薬剤の殻がそのまま排出される薬剤(例;オキシコンチン)

坐剤

結腸ストーマを保有し、経口摂取や静脈投与が不可能な薬剤の場合、ストーマから坐剤を投与することがある。

ストーマには括約筋がないため、投与した坐剤が不意に排出されやすい。そのため、坐剤が溶解するまで、トイレットペーパーやティッシュなどを用いて排泄孔を押さえておく必要がある。

坐剤を定期的に使用する場合は、二品系の装具を使用するとよい。