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ストーマ合併症への対応
自己導尿

2015年5月公開

清潔間欠的自己導尿(CISC:clean intermittent self-catheterization )

自己導尿は、1日に数回、患者自身が尿道からカテーテルを入れて尿を取る方法である。

間欠導尿とは、膀胱容量が500mLを超えないように一定時間ごとに導尿することである。

膀胱内に残尿がなく、膀胱内圧の上昇と過伸展がなければ、膀胱の抵抗力によって尿路感染を防止できるといわれており、無菌的操作ではなく清潔的に自己導尿を行うことが一般的である。

自己導尿指導のステップ

1.自己導尿の導入決定の支援、支援者の確認

術後排尿障害の症状(前項表2)を確認し、残尿測定を実施した結果を含めた排尿日誌(1~3日間でよい)を記載する。

①を元に導尿回数を設定する(表1、2)を目安として、患者の生活スタイルを加味した時間設定をすることが重要である。

家族にも必要性を理解し、協力を得る。

2.自己導尿する環境の確認(自宅・学校・職場など)

3.必要物品(図1)の選択と準備(カテーテルの種類やサイズの選択)

4.手順の説明(モデルなどを利用し、デモンストレーションする)および実施

5.継続支援(定期受診、評価)

病院への定期受診と自己導尿の支援体制の説明を行う。

術後経過とともに残尿が減少し、自己導尿の回数を減らしたり、中止できたりする場合も多いが、自己判断で中止しないよう説明する。

表 1 自己導尿回数の設定(自排尿の有無)

自排尿がある 尿意、排尿に合わせて導尿
排尿量+導尿量<300mL
自排尿がない 導尿量<300mLになるよう時間設定

表 2 自己導尿回数の設定(残尿量)

残尿量 導尿回数 備考
200mL以上 5~6回 自排尿があってもないものと考える
100~200mL 2~4回
50~100mL 1~2回 残尿測定を兼ねて朝・夕などに導尿
50mL以下 自己導尿の終了

*自己導尿の終了(中止)は、必ず医師の判断を要する

図 1 自己導尿の必要物品

導尿用カテーテル(再利用型・ディスポーザブル型がある)

再利用型導尿カテーテル

再利用型導尿カテーテル
(DIBマイセルフカテーテル
[株式会社ディヴインターナショナル])

潤滑剤(ヌルゼリーなど)

清浄綿(クリーンコットン)

軽量カップ

排尿日誌

鏡(*女性の場合、必要に応じて)

自己導尿と診療報酬

外来において、在宅自己導尿に関する指導管理を行った場合に限り、在宅自己導尿指導管理料(1800点/月1回)を算定できる。ディスポーザブル型導尿カテーテルを用いる場合には、別途、間歇導尿用ディスポーザブルカテーテル加算(600点)を算定する。

導尿カテーテルなど導尿に必要な物品も所定点数に含まれるため、受診時に指導を行い、過不足ないよう物品を患者に渡す。

文献

1.ストーマリハビリテーション講習会実行委員会編:ストーマリハビリテーション-実践と理論.金原出版,東京,2006:294.