最新ガイドライン、DESIGN-R®2020に基づく 新まるわかり褥瘡ケア

Part1 褥瘡(じょくそう)はどうしてできる? どう治す?わが国の褥瘡は減っているの?

2023年2月更新(2016年6月公開)

 2016年に日本褥瘡学会が調査した結果をみると、いわゆる一般病院での褥瘡患者は2.46%です。療養型病床のある一般病院では2.81%です(表1)。おおまかにいうと、病院に入院している患者の100人あたり2.5人に褥瘡があるということになります。
 わが国で褥瘡対策が本格的に取り組まれ始めたのは、2002 年の褥瘡対策未実施減算からと言えます。このとき、日本中の病院で多職種専門職による褥瘡対策チームが組まれて、褥瘡対策に関する診療計画書に基づいて適切な褥瘡対策が行われ、体圧分散寝具が購入されました。こうした動きの中心となって活動したのが日本褥瘡学会でした。その後、診療報酬上では褥瘡患者管理加算、褥瘡ハイリスク患者ケア加算が認められ、褥瘡対策は入院基本料の算定要件になりました。在宅褥瘡に対しては、在宅患者訪問褥瘡管理指導料が算定されるようになってきています。こうした動きと連動してDESIGN作成、ガイドライン策定などの日本褥瘡学会のさまざまな活動が功を奏して、わが国の褥瘡発生は世界的にも評価されるほど減少してきていると言えます。その推移を図1に示しました。

表1 褥瘡の有病率(日本褥瘡学会、2016)

施設区分 有病率(%)
一般病院 2.46
一般病院(療養型病床を含む) 2.81
大学病院 1.58
精神病院 0.80
小児専門病院 1.50
介護老人福祉施設 0.77
介護老人保健施設 1.16
訪問看護ステーション 1.93

日本褥瘡学会実態調査委員会:療養場所別自重関連褥瘡と医療関連機器圧迫創傷を併せた「褥瘡」有病率,有病者の特徴,部位・重症度.褥瘡会誌 2018;20(4):423-445.より引用

図1 わが国の褥瘡有病率の推移と褥瘡対策の動き

図1 わが国の褥瘡有病率の推移と褥瘡対策の動き

真田弘美:日本発の「DESIGN-R®」は世界標準の褥瘡状態評価ツールになった そして今,DESIGN-R®2020 に.エキスパートナース;37(3):16.より引用

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