ガイドラインに基づく まるわかり褥瘡ケアガイドラインに基づく まるわかり褥瘡ケア

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Part4 褥瘡(じょくそう)を防ぐために一番大事な体圧管理

体圧分散用具は、どのように選択する?

1.臥位の場合のマットレスの選択

 褥瘡予防・管理ガイドラインでは、褥瘡の発生を防ぐために体圧分散マットレスを使用することが「推奨度A」で勧められています。

 体圧分散用具選択の目安をフローチャートにしたものが図9です。「自力で体位変換できない人」には、圧切替型エアマットレスが勧められ(推奨度B)、交換フォームマットレスを使用してもよい(推奨度C1)となっています。

 素材では、「自力で体位変換できる人」には、可動性を妨げないウレタンフォームを使い、「自力で体位変換できない人」には体圧分散を優先したエアやウォーターなどの素材を選択します。

図9 体圧分散用具の選択フローチャート

図9 体圧分散用具の選択フローチャート

日本褥瘡学会編:在宅褥瘡予防・治療ガイドブック-第3版.照林社,東京,2015:58.より引用

①褥瘡予防のためのマットレス

 特に高齢者の褥瘡予防に関しては、二層式エアマットレスが「推奨度B」で勧められ、圧切替型エアマットレス、上敷静止型エアマットレス、フォームマットレスは使用してもよい(推奨度C1)とされています。

 二層式エアマットレスはセルが二層に分かれていて、セルが完全に収縮することがないのが特徴です。そのため、円背や関節拘縮、顕著な病的骨突出がある高齢者に効果があります図10)。

 また、三層式エアマットレスはわが国で開発されたもので、二層式エアマットレスと同じような効果が期待できます(図11)。

図10 二層式エアマットレス(二層式セル):「エアマスター トライセル®」(ケープ)

図10 二層式エアマットレス(二層式セル):「エアマスター トライセル®」(ケープ)

利用イメージ

図11 三層式エアマットレス:「アドバン®」(モルテン)

図11 三層式エアマットレス:「アドバン®」(モルテン)

三層構造イメージ

②褥瘡発生後に選択したいマットレス

 褥瘡が発生した後のエアマットレスの選択では、ガイドラインでは次のように示されています。

 DESIGN-R®で「d1」「d2」褥瘡の治癒促進には上敷静止型エアマットレスを使用してもよいとされています(推奨度C1)。

 「d2」以上の褥瘡の治癒促進のためには、「マット内圧自動調整機能付交換切替型エアマットレス、圧切替型ラージエアセルマットレス、二層式エアマットレス、低圧保持用エアマットレスを使用してもよい(推奨度C1)となっています。

 D3~D5の褥瘡または複数部位の褥瘡には、空気流動型ベッド、またはローエアロスベッドの使用が強く推奨されています(推奨度A)。空気流動型ベッドとは、内部のビーズを空気の力で流動させ圧再分配を行う機能をもつベッドです(図12)。

図12 空気流動型ベッド:エアーフローティングサポートシステムLIFE ISLAND-7(ケイセイ医科工業)

図12 空気流動型ベッド:エアーフローティングサポートシステムLIFE ISLAND-7(ケイセイ医科工業)

 ICUやCCUに入院しているクリティカルな状態にある褥瘡患者には、低圧保持用エアマットレス(図13)の使用が勧められています(推奨度B)。そして、ローエアロスベッド、上敷圧切替型エアマットレス、交換静止型エアマットレスを使用してもよい(推奨度C1)となっています。集中ケアを受けている患者は、循環動態が不良のため十分な体位変換ができていないことも多く、こうしたエアマットレスの使用は不可欠といえます。

図13 低圧保持用エアマットレス:
エアマスタービッグセル インフィニティ®(ケープ)、グランデ®(モルテン)

図13 低圧保持用エアマットレス:エアマスタービッグセル インフィニティ®エアマスタービッグセル インフィニティ®

図13 低圧保持用エアマットレス:グランデ®グランデ®

 また、周術期においては、さらに体圧分散の必要性が高まります。ガイドラインでは「手術台に体圧分散マットレスや用具を使用するよう強く勧められる」(推奨度A)、「術中に、マットレス以外に踵骨部、肘部等の突出部にゲルまたは粘弾性パッドを使用するよう勧められる」(推奨度B)となっています(図14、15)。

図14 手術台用のマットレスの例:サージカルフォーム®(ケープ)

図14 手術台用のマットレスの例:サージカルフォーム®(ケープ)

図15 手術台の上に置くゲル素材のパッド:アクションパッド®(アクションジャパン)

図15 手術台の上に置くゲル素材のパッド:アクションパッド®(アクションジャパン)

2.座位の場合の体圧分散用具の選択

 座位の場合には、アライメント(体軸の自然な流れ)を重視して座位姿勢を維持することが重要です。90度座位では、骨盤が前傾すると恥骨部に、骨盤中間位では坐骨結節部に、そして骨盤後傾すると尾骨部への接触圧が高まるといわれています1。座位姿勢と負荷のかかり具合を図16に示しました。座位姿勢は、褥瘡発生以外にも座り心地と関連します。それらの要素を考慮して、体圧分散用具を選択する必要があります。

図16 座位姿勢と負荷のかかり方

図16 座位姿勢と負荷のかかり方

日本褥瘡学会編:褥瘡ガイドブック-第2版.照林社,東京,2015:190.を元に作成

 ガイドラインでは、「高齢者には脊髄損傷者に使用される体圧再分散クッションを使用することが勧められる」(推奨度B)とされています。このクッションは沈み込み性や包み込み性、温度湿度特性など多くの機能に優れています(図17)。

 その他に、一定の間隔で座圧の調整ができるダイナミック型クッション(図18)も開発されており、ガイドラインでも「使用を検討してもよい」(推奨度C1)とされています。

図17 体圧再分散クッション:ロホ・クァドトロセレクト® ハイタイプ(アビリティーズ・ケアネット)

図17 体圧再分散クッション:ロホ・クァドトロセレクト® ハイタイプ(アビリティーズ・ケアネット)

図18 ダイナミック型クッション:Medi-Air1®(横浜ゴム)

図18 ダイナミック型クッション:Medi-Air1®(横浜ゴム)

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