Part4 褥瘡(じょくそう)を防ぐために一番大事な体圧管理
「圧再分配」を確実に行うためのマットレス使用のポイント2016年6月公開
褥瘡アセスメントに必須!改定された「DESIGN-R®2020」
ここだけは知っておきたいポイント
1.接触面積の拡大を確実に行う
①マットレスカバーとリネン、下シーツの張りを防ぐ
マットレスの「沈める」「包む」機能を生かすためには、カバーやリネンの素材に注意する必要があります。伸縮性のないものを使うと踵部のような骨突出部位に「ハンモック現象(図4)」が生じてしまいます。
②エアマットレス内圧の管理を適切に行う
マットレス内圧の管理も大切です。内圧が高すぎると「沈める」機能を十分に生かすことができません。逆に「沈める」機能を十分にするために内圧を低く設定してしまうと「底付き現象」が生じてしまいます。それを防ぐためには、訪室時にマットレスに直接触れたり、患者に寝心地を聞いてみることが重要です。底付きの見きわめ方を図5に示しました。
③気温によるマットレスの変化を確認する
マットレスを構成している「流動体の素材」には空気・水などの種類があり、それらは温度によって流動性が左右されるものがあります。これはウレタン素材も同様です。それを防ぐために、素材の流動性や反発力を保つ室温であるかどうかを確認することが大切です。
2.圧が確実にかかる部位を定期的に移動させる
骨突出部位などは確実に圧がかかります。圧切替型エアマットレスなどを用いて適切に管理してくことが必要です。エアマットレスの適切な管理方法を図6に示しました。
図4 ハンモック現象とは
真田弘美,須釜淳子:改訂版 実践に基づく最新褥瘡看護技術.照林社,東京,2009:63.より引用
図5 底付きの見きわめ方
真田弘美,須釜淳子:改訂版 実践に基づく最新褥瘡看護技術.照林社,東京,2009:62.より引用
(写真提供:大桑麻由美)
図6 エアマットレスの管理方法
真田弘美:褥瘡・ストーマ・失禁ケアの最新トピックス.エキスパートナース2010.;26(14):25.より引用