ガイドラインに基づく まるわかり褥瘡ケアガイドラインに基づく まるわかり褥瘡ケア

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Part10 在宅の褥瘡(じょくそう)患者にはどのようにアプローチするか

在宅で利用できる福祉制度・福祉用具貸与を知っておこう

 在宅ケアでは、社会資源・人的資源を最大限に使って、療養者・家族の労力・経済的負担の軽減を図ることが重要です。医療・看護の提供は、病院・開業医・訪問看護ステーションなどから行われますので、その地域にどのような医療機関があるかを知っておくことが必要です。

 何より介護保険制度についてある程度の知識を知っておくことは重要です。また、長期の療養生活を支えるために、デイケア、デイサービス、ショートステイなどの地域の福祉資源の活用も大切です。そのための情報を、病院退院時に退院調整看護師やソーシャルワーカー、ケアマネジャーと共有しておきましょう。ケースワーカーに相談すれば福祉用具の貸与等の相談にものってくれます。

1.介護保険制度

 介護保険制度は、療養者が住んでいる市区町村が運営している制度です。介護保険の対象となるのは、65歳以上の人、あるいは40〜64歳の人で介護保険の対象となる特定疾病にかかっている人です。これらの人は、要介護認定を受けて認定されると、さまざまな介護サービスが受けられます。認定は、要支援1・2から、要介護1〜5までの7段階の認定になります。要介護1~5は「介護給付」、要支援1~2は「予防給付」が受けられます。

 介護保険制度で受けられる居宅サービスの内容を表3に示します。「居宅」には、自宅のほか軽費老人ホームや有料老人ホームなどの居室も含みます。

表3 居宅サービスの内容

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訪問介護 介護福祉士や訪問介護員によって提供される入浴、排泄、食事等の介護、そのほかの日常生活を送るうえで必要となるサービスをいう。利用できるのは、居宅で生活を送る「要介護」と認定された人。
訪問入浴介護 居宅を訪問し、持参した浴槽によって行われる入浴の介護のこと。利用できるのは、居宅で生活を送る「要介護」と認定された人。 
訪問看護 看護師、准看護師、保健師、理学療法士および作業療法士が居宅を訪問して行う療養にかかわる世話、または必要な診療の補助を行うサービスのこと。利用できるのは、居宅で生活を送る「要介護」と認定された人。ただし、主治医が、利用者の病状が安定しており、訪問看護が必要だと認めた場合に限る。 
訪問リハビリテーション 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士という専門職が、居宅を訪問して行われる、心身の機能の維持回復、日常生活の自立を助けることを目的とするリハビリテーションのこと。利用できるのは、居宅で生活を送る「要介護」と認定された人。ただし、主治医が、利用者の病状が安定しており、サービスの利用が必要だと認めた場合に限る。 
居宅療養管理指導 病院や診療所または薬局の医師、歯科医師、薬剤師などによって提供される、療養上の管理および指導など。利用できるのは、居宅で生活を送る「要介護」と認定された人。 
通所介護 老人デイサービスセンターなどで提供される、入浴、排泄、食事などの介護、そのほかの日常生活を送るうえで必要となるサービスおよび機能訓練をいう(ただし、認知症対応型通所介護に当たるものを除く)。利用者は老人デイサービスセンターなどを訪れてこれらのサービスを受ける。利用できるのは、居宅で生活を送る「要介護」と認定された人。 
通所リハビリテーション 介護老人保健施設、病院や診療所で提供される、利用者の心身機能の維持回復、日常生活の自立を助けることを目的とする、リハビリテーションのこと。利用者は介護老人保健施設などを訪れてこれらのサービスを受ける。利用できるのは、居宅で生活を送る「要介護」と認定された人。ただし、主治医が、利用者の病状が安定しており、サービスの利用が必要だと認めた場合に限る。 
療養通所介護 常時看護師による観察が必要な難病等の重度要介護者またはがん末期患者を対象とし、療養通所介護計画にもとづき、入浴、排泄、食事等の介護その他の日常生活上の世話と機能訓練を行う。 
短期入所生活介護 特別養護老人ホームなどの施設で短期間、生活してもらい、その施設で行われる、入浴、排泄、食事などの介護、そのほかの日常生活を送るうえで必要となるサービスおよび機能訓練をいう。利用できるのは、居宅で生活を送る「要介護」と認定された人。 
短期入所療養介護 介護老人保健施設などの施設で短期間、生活してもらい、その施設で行われる、看護、医学的な管理の必要となる介護や機能訓練、そのほかに必要となる医療、日常生活上のサービスをいう。利用できるのは、居宅で生活を送る「要介護」と認定された人。 
特定施設入居者生活介護 有料老人ホーム、軽費老人ホームなどに入所している要介護認定を受けた利用者に対して、その施設が提供するサービスの内容などを定めた計画(特定施設サービス計画)にもとづいて行われる入浴、排泄、食事等の介護、洗濯、掃除等の家事、生活等に関する相談および助言、日常生活を送るうえで必要となるサービスをいう。特定施設入居者生活介護を提供できる施設は有料老人ホーム、養護老人ホームおよび軽費老人ホームと定められている。
福祉用具貸与 利用者の心身の状況、希望およびその環境をふまえたうえで、適切な福祉用具を選定するための援助、その取付けや調整などを行い、①車椅子、②車椅子付属品、③特殊寝台、④特殊寝台付属品、⑤床ずれ予防用具、⑥体位変換器、⑦手すり、⑧スロープ、⑨歩行器、➉歩行補助つえ、⑪認知症老人徘徊感知機器、⑫移動用リフト(つり具の部分を除く)、⑬自動排泄処理装置、の福祉用具を貸し与えることをいう。福祉用具貸与を利用できるのは、居宅で生活を送る、「要介護」と認定された人。 
特定福祉用具販売 福祉用具のうち、入浴や排泄の際に用いられるなど、貸与にはなじまないもの(特定福祉用具)を販売すること。①腰掛便座、②自動排泄処理装置の交換可能部品、③入浴補助用具、④簡易浴槽、⑤移動用リフトのつり具の部分、の5品目。特定福祉用具販売を利用できるのは、居宅で生活を送る、「要介護」と認定された人。 

 居宅サービスを利用する場合は、利用できるサービスの量(支給限度額)が要介護度別に定められています(表4)。

 限度額の範囲内でサービスを利用した場合は、1割(一定以上所得者の場合は2割)の自己負担です。限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた分が全額自己負担となりますので注意が必要です。

表4 サービス利用者の費用負担等

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要支援1  50,030 円
要支援2 104,730 円
要介護1 166,920 円
要介護2 196,160 円
要介護3 269,310 円
要介護4 308,060 円
要介護5 360,650 円

 介護保険によるさまざまな介護サービスを受けるまえでの手続き等の流れを図3に示しました。平成27年4月から制度の運用が変わっている自治体もありますので、詳しいことは市区町村の福祉課の窓口で相談することが必要です。

図3 介護サービスを受けるまでの流れ

図3 介護サービスを受けるまでの流れ

2.福祉用具の活用

 介護保険で福祉用具を利用するためには、要支援・要介護認定を受けておく必要があります。介護保険サービスは、看護認定を受けて、ケアマネジャーが策定するケアプランによって利用可能になります。

 介護保険で貸与できる福祉用具は、車椅子・車椅子付属器・特殊寝台・特殊寝台付属器・床ずれ予防用具・体位変換器・手すり・スロープ・歩行器・歩行補助つえ・認知症老人徘徊感知機器・移動用リフト・自動排泄処理装置の13項目です(表5)。

 要介護認定を受けている人が貸与の対象になりますが、「要支援1〜2」「要介護1」の人は、車椅子・車椅子付属器・特殊寝台・特殊寝台付属器・床ずれ予防用具・認知症老人徘徊感知機器・移動用リフトは貸与されません。

 介護保険によって購入できる福祉用具は、腰掛便座・入浴補助用具・移動用リフトのつり具・特殊尿器・簡易浴槽の5種類です。これらの用具は、居住する自治体が指定する販売事業者から購入します。これには支給限度額があって、上限10万円、利用者負担は1割になります。これらの福祉用具を、都道府県が指定した福祉用具販売事業者から購入した場合、申請によって特定福祉用具購入費が介護保険から支給されます。上限10万円までで支給額は9割です。

表5 介護保険で貸与が可能な福祉用具

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車椅子 自走式車椅子、電動車椅子、介助用車椅子
車椅子付属器 クッションまたはパッド
特殊寝台 ギャッジベッド、電動ベッド
特殊寝台付属器 マットレス、サイドレール、ベッド用手すり、テーブル、スライディングボード
床ずれ予防用具 エアマット、ウレタンマットレス
体位変換器  
手すり 工事を伴うものは住宅改修
スロープ 工事を伴うものは住宅改修
歩行器  
歩行補助つえ 松葉づえ、カナディアンクラッチ、ロフストランドクラッチ、多点杖
認知症老人徘徊感知機器  
移動用リフト (つり具部分を除く)
自動排泄処理装置  

詳しくは、介護情報ネットワーク(https://www.kaigonw.ne.jp/index.html)を参照ください。

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