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Part10 在宅の褥瘡(じょくそう)患者にはどのようにアプローチするか

在宅で利用できる福祉制度・福祉用具貸与を知っておこう

2021年6月更新(2016年6月公開)

褥瘡アセスメントに必須!改定された「DESIGN-R®2020」
ここだけは知っておきたいポイント

 在宅ケアでは、社会資源・人的資源を最大限に使って、療養者・家族の労力・経済的負担の軽減を図ることが重要です。医療・看護の提供は、病院・開業医・訪問看護ステーションなどから行われますので、その地域にどのような医療機関があるかを知っておくことが必要です。そして何より介護保険制度についてある程度の知識を持っておくことは重要です。

 また、長期の療養生活を支えるために、デイケア、デイサービス、ショートステイなどの地域の福祉資源の活用も大切です。そのための情報を、病院退院時に退院調整看護師やソーシャルワーカー、ケアマネジャーと共有しておきましょう。ケースワーカーに相談すれば福祉用具の貸与等の相談にものってもらえます。

1.介護保険制度

 介護保険制度は、療養者が住んでいる市区町村が運営している制度です。介護保険の対象となるのは、65歳以上の人、あるいは40~64歳の人で介護保険の対象となる特定疾病にかかっている人です。これらの人は、要介護認定を受けて認定されると、さまざまな介護サービスが受けられます。認定は、要支援1・2から、要介護1~5までの7段階の認定になります。要介護1~5は「介護給付」、要支援1~2は「予防給付」が受けられます。

 介護給付を行うサービス、予防給付を行うサービスについて、「訪問サービス」「通所サービス」「短期入所サービス」「その他」に分けて表3に示しました。

表3 介護サービスの種類

※幅が広い表は横にスクロールできます
介護給付を行うサービス 予防給付を行うサービス
【訪問サービス】
  • 訪問介護(ホームヘルプサービス)
  • 訪問入浴介護
  • 訪問看護
  • 訪問リハビリテーション
  • 居宅療養管理指導
【訪問サービス】
  • 介護予防訪問入浴介護
  • 介護予防訪問看護
  • 介護予防訪問リハビリテーション
  • 介護予防居宅療養管理指導
【通所サービス】
  • 通所介護(デイサービス)
  • 通所リハビリテーション
【通所サービス】
  • 介護予防通所リハビリテーション
【短期入所サービス】
  • 短期入所生活介護(ショートステイ)
  • 短期入所療養介護
【短期入所サービス】
  • 介護予防短期入所生活介護(ショートステイ)
  • 介護予防短期入所療養介護
【その他】
  • 特定施設入居者生活介護
  • 福祉用具貸与
  • 特定福祉用具販売
【その他】
  • 介護予防特定施設入居者生活介護
  • 介護予防福祉用具貸与
  • 特定介護予防福祉用具販売

https://www.mhlw.go.jp/content/0000213177.pdfより引用(2021/4/9アクセス)

 介護サービスを利用する場合は、利用できるサービスの量(支給限度額)が要介護度別に定められています(表4)。限度額の範囲内でサービスを利用した場合は、1割(一定以上所得者の場合は2割)の自己負担です。限度額を超えてサービスを利用した場合は、超えた分が全額自己負担となりますので注意が必要です。

表4 サービス利用者の費用負担

※幅が広い表は横にスクロールできます
要介護度 利用限度額(1か月) 自己負担額(1割負担の場合)
要支援1 50,320円 5,032円
要支援2 105,310円 10,531円
要介護1 167,650円 16,765円
要介護2 197,050円 19,705円
要介護3 270,480円 27,048円
要介護4 309,380円 30,938円
要介護5 362,170円 36,217円
※2019年10月時点。金額はあくまでも一割負担の方の目安で、地域により変動する。
※自己負担額は利用者の所得に応じて1割~3割負担となる。
厚生労働省告示「居宅介護サービス費等区分支給限度基準額及び介護予防サービス費等区分支給限度基準額」より作成

 介護保険によるさまざまな介護サービスを受けるまでの手続き等の流れを図3に示しました。平成30年度から制度の運用が変わっている自治体もありますので、詳しいことは市区町村の福祉課の窓口で相談することが必要です。

図3 介護サービスの利用手続き

図3 介護サービスの利用手続き

2.福祉用具の活用

 介護保険で利用できる福祉用具は、要介護者等の日常生活の便宜を図るための用具、および要介護者等の機能訓練のための用具です。利用者が居宅において自立した日常生活を営むことができるように補助するものについて、保険給付の対象としています。

 介護保険で福祉用具を利用するためには、要支援・要介護認定を受けておく必要があります。介護保険サービスは、介護認定を受けてケアマネジャーが策定するケアプランによって利用可能になります。

 介護保険で貸与できる福祉用具を表5に示しました。福祉用具貸与および福祉用具販売については、要介護者等の自立の促進と介助者の負担の軽減を図り、利用者の状態に応じた福祉用具の選定を行うために、福祉用具貸与事業者および特定福祉用具販売事業者が、利用者ごとに個別サービス計画(福祉用具サービス計画)を作成します。

 介護保険によって購入できる福祉用具は、腰掛便座、自動排泄処理装置の交換可能部、入浴補助用具、簡易浴槽、移動用リフトのつり具の部の5種類です(表5)。これらの用具は、居住する自治体が指定する販売事業者から購入します。これには支給限度額があって、原則的に上限10万円、利用者負担は1割になります。これらの福祉用具を、都道府県が指定した福祉用具販売事業者から購入した場合、申請によって特定福祉用具購入費が介護保険から支給されます。上限10万円までで支給額は9割です。

表5 介護保険で貸与できる福祉用具と購入可能な福祉用具

※幅が広い表は横にスクロールできます
【福祉用具貸与】<原則> 【福祉用具販売】<例外>
  • 車いす(付属品含む)
  • 特殊寝台(付属品含む)
  • 床ずれ防止用具
  • 体位変換器
  • 手すり
  • スロープ
  • 歩行器
  • 歩行補助つえ
  • 認知症老人徘徊感知機器
  • 移動用リフト(つり具の部分を除く)
  • 自動排泄処理装置
  • 腰掛便座
  • 自動排泄処理装置の交換可能部
  • 入浴補助用具(入浴用いす、浴槽用手すり、浴槽内いす、入浴台、浴室内すのこ、浴槽内すのこ、入浴用介助ベルト)
  • 簡易浴槽
  • 移動用リフトのつり具の部
  1. ①貸与の原則:利用者の身体状況や要介護度の変化、福祉用具の機能の向上に応じて、適時・適切な福祉用具を利用者に提供できるよう、貸与を原則としている。
  2. ②販売種目(原則年間10万円を限度):貸与になじまない性質のもの(他人が使用したものを再利用することに心理的抵抗感が伴うもの、使用によってもとの形態・品質が変化し、再利用できないもの)は、福祉用具の購入費を保険給付の対象としている。
  3. ③現に要した費用:福祉用具の貸与および購入は、市場の価格競争を通じて適切な価格による給付が行われるよう、保険給付における公定価格を定めず、現に要した費用の額により保険給付する仕組みとしている。

https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/000314951.pdfより引用(2021/4/9アクセス)

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