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Part9 褥瘡(じょくそう)を治すために必要な栄養と痛みの知識

いま話題のサルコペニア、フレイルって何?

 「サルコペニア」とは、「加齢に伴って生じる骨格筋量と骨格筋力の低下」のことです。人間は老化により、骨格筋量の進行的な低下、それも体力や機能の低下を導く大幅な低下を経験します。「サルコペニア」とは、ギリシャ語で「筋肉」を意味する「sarx」と「喪失」を意味する「penia」を組み合わせた言葉です。サルコペニアは、身体的な障害や生活の質の低下、および死などの有害な転帰のリスクを伴います。サルコペニアの診断基準を表1に示しました。

表1 サルコペニアの診断基準

診断は基準1 とその他(基準2 か3)に基づく

  1. 筋肉量の低下
  2. 筋力の低下
  3. 身体能力の低下

日本老年医学会,大内尉義総監修:サルコペニア:定義と診断に関する欧州関連学会のコンセンサスの監訳とQ&A.より引用

 サルコペニアの発病と進行には、いくつかのメカニズムが存在するといわれています。特に、タンパク質合成、タンパク質分解、神経と筋の統合性および筋内脂肪含有量などが含まれます。これらの複数のメカニズムが、サルコペニアに関連する可能性があり、相対的寄与が時間の経過とともに変化する可能性もあります。サルコペニアの分類を表2に示しました。

表2 原因によるサルコペニアの分類

一次性サルコペニア
加齢性サルコペニア 加齢以外に明らかな原因がないもの
二次性サルコペニア
活動に関連するサルコペニア 寝たきり、不活発なスタイル、(生活)失調や無重力状態が原因となり得るもの
疾患に関連するサルコペニア 重症臓器不全(心臓、肺、肝臓、腎臓、脳)、炎症性疾患、悪性腫瘍や内分泌疾患に付随するもの
栄養に関係するサルコペニア 吸収不良、消化管疾患、および食欲不振を起こす薬剤使用などに伴う、摂取エネルギーおよび/またはタンパク質の摂取量不足に起因するもの

日本老年医学会,大内尉義総監修:サルコペニア:定義と診断に関する欧州関連学会のコンセンサスの監訳とQ&A.より引用

 一方、「フレイル(Frailty)」とは、日本老年医学会が提唱している「高齢者が筋力や活動が低下している状態(虚弱)」のことです。同会では、医療介護に携わる専門職に「フレイル」の理解と予防に取り組むことを呼びかけています。

 高齢者は、意図しない衰弱、筋力の低下、活動性の低下、認知機能の低下、精神活動の低下などの脆弱な状態(中段階的な段階)を経ることが多いことから、この概念が提唱されました。高齢者は加齢に伴って不可逆的に老い衰えた状態になると理解されがちですが、フレイルの概念によれば、適切な介入によって再び健常な状態に戻る可逆性が含まれています。そのため、「要介護状態に陥るのを防げる効果がある」として対策を呼びかけているものです。

 サルコペニアもフレイルも、加齢に伴う機能低下を意味していますが、この2つはどう違うのでしょうか。サルコペニアは、筋肉量減少を主体として、筋力、身体機能の低下を主要因としているのに対して、フレイルは、移動能力、筋力、バランス、運動処理能力、認知機能、栄養状態、持久力、日常生活の活動性、疲労感など、非常に広い要素が含まれています。フレイルの診断基準としては、表3の要素が挙げられています。

表3 フレイルの評価表

  1. 体重が減少
  2. 歩行速度が低下
  3. 握力が低下
  4. 疲れやすい
  5. 身体の活動レベルが低下

これら5つのうち、3つが当てはまるとフレイルとみなされる。

※ 日本では、記憶力の低下なども考慮した評価表を検討中

日本老年医学会,大内尉義総監修:サルコペニア:定義と診断に関する欧州関連学会のコンセンサスの監訳とQ&A.より引用

 高齢者のサルコペニアとフレイルは、いま注目の話題であると同時に、栄養状態が関連するさまざまな疾患や合併症の治癒・回復に大きく関係してきます。褥瘡はまさに栄養状態が重要なカギを握る合併症の1つです。

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