2023年2月更新(2016年6月公開)
動画でわかるポジショニングと体位変換の基本と進め方
臨床に生かすポジショニングの基本となる考え方とテクニック
私たち“ヒト”の身体には、二足歩行を獲得するために、“S字カーブ”と言われる生理的弯曲が備わっています。人の背骨を横から見ると、頸椎前弯、胸椎後弯、腰椎前弯となっています。この生理的弯曲があることが、歩行の際の衝撃吸収に役立っています。弯曲部分が、臥床したときには身体の突出となり、部分圧迫を受けることになります。図1に、硬いマットレスに臥床した際の全身体圧の状態を示しました。
図1 身体の構造と体圧と褥瘡の関係
部分圧迫は、微小血管の閉塞をもたらし、血流低下を招きます。血液は酸素と栄養素を運ぶため、細胞死・組織障害に至り褥瘡発生となります。そこで、局所に持続する圧迫が加わらないようにするために行うのが「体位変換」です。
これまで長い間、「体位変換は2時間ごと」とされてきました。これは、1977年に東京都老人総合研究所・東京都養育院附属病院が出版した『褥瘡-病態とケア-』という書籍でそのように示されたからです。そこには「局所の圧迫を避けるため、2時間毎のめやすで体位変換をすることが大切である。」と記載されています。欧米での実験結果でも同様のめやすが示されています。有名なのはKosiakの研究で、ネズミのハムストリングに9.3kPaの圧力を一定時間かけ続けたところ、2~3時間後に変化が現れ始めたとされています。
しかし昨今では、