Part4 褥瘡(じょくそう)を防ぐために一番大事な体圧管理
「サポート・サーフェス」によるマットレスの定義2016年6月公開
褥瘡アセスメントに必須!改定された「DESIGN-R®2020」
ここだけは知っておきたいポイント
「サポート・サーフェス(Support surface)」というのは、NPUAP(米国褥瘡諮問委員会)が2006年に提唱したというマットレスの新しい定義です。この定義が、次の項で述べる「圧再分配」という概念につながります。
サポート・サーフェスは以下のように定義されます。
「サポート・サーフェスとは、組織への外力を管理するための圧再分配、寝床内環境調整、その他の機能を特別に設計された用具である。具体的には、ベッドと一体となっているマットレス、交換マットレス、上敷きマットレスである。あるいは、座位クッション、または上敷き座位クッションである」
これまでのマットレスは、褥瘡発生予防の観点から、「32mmHg」という毛細血管閉塞圧値を用いて2つに分かれていました。それが、「除圧(pressure relief)」と「減圧(pressure reduction)」という分類です。除圧ができるマットレスとは、「どの体位においても」「どの身体部位においても」体に加わる圧力を32mmHg未満に管理できるものでした。減圧ができるマットレスとは、常に32mmHg未満に管理できる機能はないけれど、標準マットレスと比較すると体にかかる圧力を低く管理できるものです。しかし、どのマットレスにおいても全患者に対して除圧あるいは減圧が提供できているという根拠はなかったため、新たに「圧再分配(pressure redistribution)」という概念が提唱されました。