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Part4 褥瘡(じょくそう)を防ぐために一番大事な体圧管理

褥瘡予防に必要な体位変換とは?

創傷ケアコンテンツ:
動画でわかる ポジショニングと
体位変換の基本と進め方

正しい体位変換とは?「体位変換」と「体位」

正しい体位変換についてアセスメントできることは、褥瘡予防のために必須です。体位変換は、日本褥瘡学会によると、「ベッド、椅子などの支持体と接触しているために体重がかかって圧迫されている身体の部位を、身体が向いている方向、挙頭の角度、身体の格好、姿勢などを変えることによって移動させることをいう」1と定義されています。また、同学会では「ポジショニング」を「運動機能障害を有する者に、クッションなどを活用して身体各部の相対的な位置関係を設定し、目的に適した姿勢(体位)を安全で快適に保持すること」1と定義しています。そう考えると、「身体の格好・姿勢を変える」ことを主軸に置きながら、その延長線上に、身体各部の相対的な位置関係を整えるポジショニングを置くことができるでしょう。

体位とは何か

それでは、そもそも「体位」とは何でしょうか。『看護大事典』(医学書院)によると、体位とは「からだの空間における位置・構え・姿勢の状態。からだの体軸・前後・体幹と四肢との位置関係を基準として分類される。たとえば、立位・臥位(仰臥位・側臥位・腹臥位)・座位(椅座位・長座位・端座位など)などがある。臨床的に意味のある体位には、ファウラー位・トレンデレンブルク位などの名称がつけられている」2とされています。上記の「立位・臥位・座位」は日常生活活動の中で見られる基本体位であり、「ファウラー位・トレンデレンブルク位」などは治療や検査時に見られる特殊体位です。主な体位の種類を表1に示しました。

表1 主な体位の種類

立位 直立位のこと。顔が正面を向き、上肢は体幹に沿って下垂、下肢は足底が床に着き足指が前方を向く
座位   殿部を基底面にして上半身を起こした状態
椅座位 椅子に背部を付けた状態で、座面に置いた殿部と大腿部を基底面とする
端座位 ベッドに腰掛けた状態
長座位 ベッド上で上半身を起こし下肢を前に投げ出した状態
半座位(ファウラー位) ベッドを頭側挙上45~60度にした座位姿勢
セミファウラー位 ベッドを頭側挙上30度にした座位姿勢
臥位   臥床した状態
仰臥位 仰向けに臥床し、上肢は体幹側に置き、下肢は伸展させる
側臥位 横向きの臥位のこと。下になる上肢は前方に押し出して肘を軽く曲げ、下肢の膝関節は軽く屈曲させ重ならないようにする
腹臥位 顔をどちらか一方に向け前胸部・腹部を下にした「うつぶせ」の状態
半側臥位 左右どちらかの側臥位で、体幹を背部側に45度前後傾斜させる

体位変換の目的

人は本来、自然な行為として、自力で身体の格好・姿勢を変えます。日常生活の中で意識的に行う姿勢変更や無意識的な「身体の傾け」、あるいは関節を動かしたりする行為は、圧迫力やずれ力の除去、関節不動による苦痛改善、体温調節(むれ・暑さ対策)、内臓機能の補助などの目的で行われます。これは自力で身体の格好・姿勢を変えることのできない患者にも必要で、体位変換には、以下のような目的があると考えられます。

  1. ①日常生活ケアを行うため:おむつ交換、食事、口腔ケア、身体清拭、着替え、移乗
  2. ②身体に起こる弊害事象の回避:褥瘡予防、拘縮予防、肺炎予防、浮腫予防、内臓機能低下予防、廃用症候群予防
  3. ③QOLの向上:コミュニケーションによる安心感、関節不動による苦痛改善、循環不良から生じる疲労感の改善、不眠改善、意識改善、むれ・暑さ対策

体位変換の基本的な技術とコツ

体位変換を行う際に重要なのは、看護師が「安定した動作」で行うことです。安定した動作とは、重心線が支持基底面を通ることです。重心が低くても、支持基底面が広くても、重心線が支持基底面を通らないと不安定になってしまいます。患者の水平移動や体位変換を行う際には、看護師の重心を支持基底面内で移動させることによって動作が安定します。そのためには、図1のように看護師は足を前後左右に広げて支持基底面積を広く(ボディメカニクスを使用)することが必要なのです。

図1 体位変換時の安定した姿勢

図1 体位変換時の安定した姿勢

褥瘡予防のための体位変換の必要性

褥瘡予防のための体位変換は、骨突出部位の皮膚・組織に加わる外力をなくすこと、あるいは少なくすることを目的として行います。それによって、外力が持続的に加わる時間を短くします。それに合わせて、体圧分散寝具を使うことによって、その効果をさらに大きくすることができます。そのため、褥瘡リスクのある患者全員に体位変換を実施することが必要です。

体位変換時のポジショニングのポイントと注意点

体位変換時のポジショニングの基本的な考え方と進め方を紹介します。

まず、その患者にとって体位変換が必要な理由と目的を明らかにします。その上で、避けるべき危険姿位、使用すべきピロー等を考慮します。進め方は図2のように行います。

図2 体位変換時のポジショニングの進め方

図2 体位変換時のポジショニングの進め方

引用文献

  1. 日本褥瘡学会:褥瘡ガイドブック第2版.照林社,東京,2015:238,241.
  2. 和田攻,南裕子,小峰光博編:看護大事典.医学書院,東京,2002.

参考文献

  1. 田中マキ子:ポジショニング学-体位管理の基礎と実践.中山書店,東京,2013.
  2. 玉木ミヨ子:“なぜ? どうして?”がわかる基礎看護技術.照林社,東京,2005.

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